薬剤溶出ステント(DES)時代の残された課題としていまだ確立された治療のない分岐部病変において、世界中のインターベンショニストらがありとあらゆるデバイスとテクニックを用いて至適アウトカムを目指して切磋琢磨しています。ヨーロッパではEuropean Bifurcation Club(EBC)、韓国ではKorean Bifurcation
Club(KBC)、そして、昨今、アメリカでもAmerican Bifurcation Club(ABC)が立ち上がりました。そのような中、我々Japanese Bifurcation Club(JBC)も世界に勝るとも劣らず発信し続け、彼らと同じ土俵で議論できるまでに至っています。
従来、分岐部病変の治療はシングルステントとツーステントで慢性期は同等のアウトカムであるが故にシングルステントがベターであるとされてきましたが、true bifurcation lesionや側枝に回避できない解離が生じるとツーステントで終わらざるを得ない場合があります。その場合に用いるテクニックに関しては古くはキュロット、Y-、T-から始まり、クラッシュ、DK-クラッシュなどがあります。それらのテクニックを比較した臨床研究も各国から紹介され、概ねそれらの成績はテクニックのみならず、ステント留置前後の処理も影響することがわかっています。このような病変は、限られたデバイスの使用や時間的制限のある欧米よりも治療の質を重んじて、術前と術後の血管内超音波(IVUS)や光干渉断層撮影(OCT)を使用し、適切なlesion preparationを行ったうえでステントを留置し、続けてイメージングデバイスで本幹と側枝の状態を確認して必要に応じて後拡張を実施する我国の分岐部治療がよりオプティマルな仕上がりをも示すのは容易に想定できます。
我々の分岐部のステンティングに対する側枝へのこだわりは世界でも一目置かれています。ステントを展開した後に何回、そして、何気圧で拡張すれば最適な広がりを示すかを考え、留置後の側枝の処理に対し、ワイヤがストラットのどこを通過するかまで徹底的に議論を重ね、さらには血管の解剖的構造を踏まえたminimum overlapping KBIやPBED法などによる後拡張で初期アウトカムを完璧なまでに仕上げるJapanese Styleは各国のbifurcatorらから注目されています。
もちろん、我々の治療には時間とコストが通常よりもかかってしまいます。時間とコストが発生する以上は、それなりの対価が求められます。コスメティックに最終造影で良好なフローが確保されていても患者の遠隔期のアウトカムが追加処理を行った患者が処理しなかった患者と同じアウトカムであるということは許容されず、しっかりとした臨床研究において結果をお示しせねばなりません。臨床上、有益なアウトカムが生じない治療は患者様に不利益を与えるだけではなく、医療経済にとっても“罪”と言えます。
JBCは常に「個々の患者様に最適な分岐部病変の治療とは何か?」を問い続けてきました。臨床で実践したテクニックの妥当性を主張するためにベンチテストやハンズオンを用いて、テクニックの有効性を示し、エビデンスとして発信することを心掛け、主要ジャーナルに掲載してきました。JBCの活動は、エビデンス構築のみにとどまらず、ライブデモンストレーションやカンファレンスを通してエクスペリエンスからエビデンスへとつなげてきたと自負しております。
2022年においても我々は活動を止めることなく、国内外での発信に注力いたします。7月2日(土)にはJBC 2022 Conference、そして、12月10日(土)にはJBC 2022 Live Demonstrationを開催いたします。7月は座学とハンズオンライブを行います。座学で学んだポイントをハンズオンで確認する形式です。また、JBC 2022においても前回と同様にInternational Bifurcation Summitを開催し、EBC、KBCのメンバーに加えて、今回はABCからもお招きし、それぞれの国の最新の見解をお話いただきます。Live Demonstrationで厳選したJBCのメンバーがカテ室から至適アウトカムを求めた治療をお伝えします。視聴者の皆様にはJBCがこれまで築いてきた蓄積を共有させていただきます。JBC一同、皆様と議論できることを楽しみにしております。
Japanese Bifurcation Club
理事長 挽地 裕
事務取扱
株式会社テクロス
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HP : https://www.tcross.co.jp/
本会を滞りなく開催できましたことは、ひとえに多大なご協力をいただきました座長や演者、コメンテーター及び関係者の皆様のおかげでございます。この場をお借りして心から感謝を申し上げるとともに、この会を通じて我々のこれまで培ってきたノウハウを次世代に継承していければ幸いに存じます。
今後とも何卒よろしくお願いいたします。
Japanese Bifurcation Club 理事長 挽地 裕