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2023/07/03
2023/03/24
2023/03/24
2023/02/17

開催概要

ごあいさつ

JBC 2023 ~分岐部治療のエビデンスでは語れないリアルワールド~

分岐部病変は経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の約20%を占め、複雑病変の代表格と位置付けられてきました。1993年に発表されたAHA/ACCタスクフォースレポートでは冠動脈の病変形態が複雑度によりタイプA、B、Cに分類されましたが、主要分岐にかかる保護可能な分岐部病変はタイプBとされ、当時の成功率はおよそ60%から85%と予測されていました。石灰化や血栓、また、血管の蛇行や屈曲、偏心性病変が認められれば、成功率は低下し、再狭窄率は高くなることが想定されました。分岐部PCIで使用するデバイスは多く、手技は極めて煩雑となり、注意すべき合併症も多いため、熟練した技術と知識、さらに経験が求められました。

30年が経過した今、分岐部治療の手技成功率や臨床成績はどうでしょうか?手技成功率は向上し、臨床成績は改善したのではないでしょうか。それは薬剤溶出性ステント(DES)が登場し、デバイスの進化と分岐部に特化した新たなテクニックが次々と生み出され、エビデンスを構築した結果です。しかし、今もなお多くのライブデモンストレーションコースでは分岐部病変が議論の的になっています。それは未だ解決していない課題が残されているからではないでしょうか。我々Japanese Bifurcation Club(JBC)の使命は、残された課題を解決するためにライブデモンストレーションと座学を通じて分岐部治療の標準化を目指し、いち早く最新の情報を発信することです。

2021年よりオンライン開催の利点を活かし、日本のみならずヨーロッパ、アメリカ、韓国のBifurcation Clubと最新エビデンスを共有してきました。カンファレンス、ライブデモンストレーションの2回に分けて開催し、最新のエビデンスを学び、それを実臨床に反映させることで知識と技術を深めてまいりました。しかし、実際の臨床現場では、エビデンスやガイドラインの知識があってもすべてが完結するわけではありません。サイエンスとしては重要なエビデンスやガイドラインですが、実臨床においてはガイドラインの適用が難しい症例もあり、エビデンスに頼りきることなく、ひとりひとりの患者様を診て、その患者様にとって最も適した治療を提供することが極めて重要だと考えています。

JBCではエビデンスやガイドラインでは正解の見えない症例について深く議論することに重点を置き、共有することこそ、真の分岐部治療の標準化を叶えうると考え、今年のテーマを「分岐部治療のエビデンスでは語れないリアルワールド」といたしました。必ずしもエビデンスの型にはまらない日常臨床で遭遇する症例から得られる学びは大きいのではないでしょうか。今年は一歩進んだJBCを皆様にお届けできるのではないかと期待しています。

今年もコロナウイルス感染リスクに影響を受けず、どこからでも参加が可能なオンライン開催にて皆様をお迎えいたします。JBC Conference 2023は恒例のハンズオンセッションに加えて、症例1例1例から学びを深めていただけるプログラムを準備しています。JBC Live Demonstration 2023は例年通り豊橋ハートセンターから中継いたします。JBCが誇る高い技術と経験豊富なBifurcatorが術者を務め、議論を通じてこれからの日常臨床にお役立て頂けることを確信しております。JBCは学びを止めることなく、7月と9月に皆様とオンラインでお会いできることを楽しみにしております。

Japanese Bifurcation Club
理事長 挽地 裕

プログラム

JBC Live Demonstration 2023 プログラム
JBC Conference 2023 プログラム ※終了分